
前回は、デリケートな「仏壇の整理・処分方法」について、手順と心の持ち方をお話ししました。 まだ読んでいない方は、ぜひ前回の記事もご覧ください。
さて、今回のテーマは、解体前の片付けにおける最大の難関とも言える「写真・手紙・アルバム」です。
「押し入れから大量のアルバムが出てきて途方に暮れている…」 「一枚一枚見ていたら、懐かしくて全然作業が進まない」そんなご相談を本当によくいただきます。 今回は、思い出の品と向き合う時の、心が楽になる片付けのコツをお伝えします。
まず最初にお伝えしたいのは、「解体工事までに、全ての写真を選別する必要はない」ということです。
実家には、何十年分もの家族の歴史が眠っています。 それを限られた期間の中で、一枚一枚「要る・要らない」と判断していくのは、精神的にも体力的にも大変な重労働です。
もし時間が足りないと感じたら、 「迷うものは、一旦段ボールに入れて新居(または保管場所)に持っていく」 という選択で十分です。
解体が終わった後、時間がある時にゆっくり見返せばいいのです。 「今すぐ決めなきゃ」というプレッシャーを手放すだけで、気持ちはずいぶん楽になりますよ。
片付けというと「捨てるものを探す作業」だと思っていませんか? そうではなく、「これだけは残したい!という宝物を救出する作業」と考えてみてください。
そういった「見返すたびに心が温かくなるもの」だけを選んで、手元の箱に入れていく。 それ以外のもので、どうしても決断できないものは、思い切って手放すのも一つの選択です。「全部持っていけないけれど、一番大切な思い出はここにある」 そう思える箱がひとつあれば、不思議と後悔はしないものです。
「写真は残したいけれど、置く場所がない」 そんな時は、専門業者に依頼してデジタルデータ化(スキャン)してしまうのも賢い方法です。
データなら場所を取りませんし、スマホやタブレットでいつでも気軽に見返すことができます。 また、親族みんなでデータを共有できるというメリットもあります。
「原本がないと寂しい」という特別な数冊だけを手元に残し、残りはデータにして処分する。 今の時代ならではの、身軽な思い出の残し方です。
建物が解体されると、何もかも消えてしまうような寂しさを感じるかもしれません。 でも、家はなくなっても、そこで過ごした時間や、ご家族の絆まで消えるわけではありません。
写真や手紙は、その記憶を呼び起こすための「鍵」のようなもの。 大切な鍵さえいくつか手元にあれば、思い出はいつでも鮮やかによみがえります。
どうか無理をせず、ご自身のペースで、思い出の整理を進めてみてくださいね。
次回は、解体工事はただ家を壊すだけじゃない。「家族の未来を紡ぐための第一歩」という、解体の本来の意味についてお話しします。
